ポジションで軽視されないために 派遣で働く介護職の実態を知る

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正社員と派遣社員の間のいじめについて

派遣社員と正社員の格差というのは現代で取り挙げられることの多い問題ではあるが、介護業界においては他の業種に比べても大きな問題をはらんでいるのではなかろうか。介護と言えば人を相手にする職業であり、接客業以上に個人との繋がりが深い職業である。それゆえに一般の人からは「優しい」「思いやりのある」人が従事しているという印象を持たれることも少なくない。

しかし、実際のところは理想的な人格の人ばかりがその職に従事しているわけではなく、さらにそういった人に優しくするというイメージを持たれた職なだけに、理想と現実の差にストレスを感じることも多いはずである。そうしたときに派遣社員と正社員という差が、職場の人間関係に及ぼす影響は小さくないだろう。正社員から見たときに派遣社員は身分柄の責任が少ないがゆえに軽視されがちであるし、派遣社員側からすれば同じような労働をしているにも関わらず待遇がよりよい正社員に対する反感のようなものはあるだろう。そうした確執の中でいじめが発生する可能性は十分にある。

実際にいじめが起きるケースは様々であると考えられるが、いじめの方向性としてどちらかがどちらかに対して起こるものであるというバイアスは危険である。立場上の強弱と、人間関係での加害・被害関係は必ずしも一致しないものであるから、正社員・派遣社員の両者をそれぞれに守るような体制が介護業界には必要である。もちろん、このことは介護業界に限らず必要であるが、とりわけ高齢化社会になっている今日では重要な一景ではなかろうか。